Who Is The 5 Most underrated Rappers in Modern Hip Hop Game?

MILESMILES!
ラッパーの存在は光彩を放ち、その言葉は陰影を放つ。本稿で特筆すべきアーティスト5人は、ヒップ・ホップゲームの世界でいずれも実力派揃いだ。今やビルボードのトップ10位内は、必ずと言っていいほどヒップ・ホップを抜きには語れない。Drake、Lil Uzi Vert 、Doja Cat、Nicki Minajなど商業的に成功したラッパーがいる影で未だ表舞台に表れないラッパー達がたくさんいる。一昔前のブルース・ミュージックシーンを思わせるほどである。そこで編集部は5人のラッパーにフォースし、少しでも読者がコマーシャルなラップ以外の彼らに関心を持てたら嬉しい。では2023年現在、未だ過小評価されている5人のラッパーを紹介しよう。

RAPSODY

ノースカロライナ州出身 のMC ラプソディは、プロデューサーでトラックメーカー9th Wonder の秘蔵っ子だ。Kendrick Lamar のセカンド・アルバム「To Pimp a Butterfly 」収録の「Complexion」で客演したことで彼女の人気は、黒人、ラティーノだけでなく白人のリスナー層にも支持され着実に人気を不動のものとなりつつある。アルバム「Eve」での黒人コミュニティ、特に黒人女性達への愛とリスペクト溢れたラップは、ラプソディの他追随を見ない。まさにコンシャス・ラップを地に行く彼女の作品は一聴に値する。

Conway the Machine

まるで自伝エッセイを描くようにストーリーテリングするラッパー、コンウェイ・ザ・マシーン。Griselda Records に所属し、異母兄弟で同レーベルの設立者Westside Gunn、従兄弟のBunny The Butcherと共に、今や3人は東海岸アンダーグラウンドシーンの中心的担い手となっている。コンウェイは、2012年頭部を銃撃され、顔面麻痺から呂律が回らないほど言葉を発っせなくなった。復帰後、2022年9月11日、「God Don’t Make Mistakes」は、過去の苦しみを乗り越えたことへのコンウェイ自身の回答であった。決して自分を誇示せず、悔しさと悲しみを織り交ぜ吐露するリリシズムは、学校の英語の教材に使用してもよいのではないか。

Dreezy 

94年生まれ、イリノイ州シカゴ出身の若きラッパー、ドリージー。2016年7月15日、Interscope Records から「No Hard Feelings」 でデビュー。R&B風のビートに歌とラップをブレンドしたスタイル、シュガースイートな歌声は、癖になるほどでNicki Minajと比較された。22年5月20日、Hit-Boyと制作した「Hitgirl」で久々のラップゲームに降りたドリージーは、再びラップゲームに躍り出る。近年、R&BシンガーH.E.Rのデビュースタジオアルバム「Back of My Mind」で作曲家としてグラミー賞を受賞した。

Young MA

ブルックリンを代表するラッパー。まさにラッパーになるために生まれてきたのではないかと思うほどリリカルで文学的な要素があるリリックは、固唾を飲むほどにスリルを感じさせてくれる。2016年「OOOUUU」で鮮烈なデビューを飾り、プラチナを獲得、雑誌Forbes の30歳以下の最も影響を与えた著名人の1人として世界中に知れ渡った。またヤングM.A. 本人も語るように彼女は同性愛者を公言している。健康上の問題でラップシーンに姿を現すことはなかったが、23年9月28日付、米国TVのBETの取材では「この夏はやっぱりMAが一番だぜって感じでね。約束するよ。見守っててくれ。俺は戻ってくるよ。どこにも行きやしないさ」とコメントした。

Melii

自らを詩人と称するハーレム出身のラッパー、メリイ。2017年Cardi Bの「Bodak Yellow」のカバーをYoutubeで披露、200万再生を記録した。またトラップ風の「Icy」(2018)は、ビヨンセがAdidas でモデリングしたブランドIcy Parkのプロモーションに起用され、メリイの音楽キャリアの発火点となった。2019年、ラッパーMeek Millのレーベルで、金持ちラッパーのイメージ作りを強制されたため、契約を自ら解除し、一時的に業界の立ち位置を失ったもののインディペンデントに戻ったメリイは2023年6月、「WNTRS OUTCAST」をリリース。この孤高の詩人はどんな苦難に落ちても何度でも這い上がれることを証明した。メリイの特徴と言えば、ドミニカン・ミュージックを元ネタにしたビートに、浮遊感のあるポエトリー・リーディング・スタイルでラップするその独自性は誰にも真似出来ない。