ブルックリン生まれの詩人アジャ・モネ。2024年第66回グラミー賞スポークン・ワーズ/ポエトリー部門で初のノミネート。世界的に盛り上がりを見せる女流詩人を本稿で紹介する。
Nuyorican Poets Cafe のポエトリー・リーディング大会で2007年、若干19歳の若さで優勝したアフロ・キューバン・アメリカン詩人アジャ・モネ。2010年、自サイトで詩集「Black Unicorn Sing」を出版して以来、フロリダで社会活動家でBernie Sanders の選挙戦時のアドバイザーを務めたUnami Selah (Phillip Agnew) とフロリダでSmoke Signal Studioを設立し、ラッパーMos Defなどと交流、またニューヨークセントラル・パークのサマーステージでロバート・グラスバーやTalib Kweli と共にステージで共演したのも記憶に新しい。
アジャの名前が広く知れ渡るきっかけとなったのがドナルド・トランプ就任時の大抗議集会である。人権活動家Tamika MalloryやLinda Sarsour が主催したWomen’s March for Washington は全世界に中継され、そこで彼女は「My Mother was A Freedom Fighter」を朗読した。最新作「When The Poems Do What They Do」にも収録されている詩で、オーディエンスはアジャの正義を紡いだ力強い言葉に力に感動し、歓喜に湧いたものだ。
The Last Poets、Amiri Baraka、そしてMaya Angelouとあまたのブラック詩人の系統を踏む詩人Aja Monetだが、Tiny Desk Concertがこのほどオンエアされたので載せておく。
すでにグラミー賞ポエトリーアルバム部門でノミネートされたアルバム「When The Poems Do What They Do」から「Why My Love」、「Weathering」「、The Devil You Know」「Casteway」、「Black Joy」と5曲を披露している。
メンバーは、ジャズ・ピアニストのRobert Glasper Experiment のベーシストBurniss Travis、Gil Scott Heron の朋友でピアノニストBrian Jackson、サックスのRohan Richardson、ジャンベ奏者で彗星の如くモダン・ジャス界に登場したWeedie Braimah と、一流のミュージッシャン達がアジャのポエトリーリーディングをバックアップした豪華な演奏者揃いであった。
ポエトリーリーディングは、言葉の音楽と呼ばれている。aja のブラックネスで哲学的な詩は、唯一無二のポエトリー・スタイル。彼女の活躍でスポークン・ワーズ/ポエトリーリーディングというジャンルがますます普及することを願っている。