世界的な有名ファッションブランドでデザイナーのヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が手がけるルイヴィトンのメンズ秋/冬コレクションが公式HPより1月21日、発表された。
秋冬メンズファッションショーのプロモーションに起用されているのは詩人/スポークン・ワーズ・アーティストのソウル・ウイリアムズ(SAUL WILLIAMS)と俳優/ヒップ・ホップ/ラッパーのモス・デフ(MOS DEF)ことヤシーン・ベイ(YASIIN BEY)。
ソウル・ウイリアムズは、映画『スラム』(1998)、デフジャムレコードのプロデューサーラッセルシモンズのHBO番組「デフ・ポエトリー・ジャム」(2002-2007)、またモデルとしても活躍するなど多彩なアーティスト活動を現在でも行っている。
一方、ヤシーン・ベイは、90年代ブルックリンのアンダーグラウンド・ヒップ・ホップシーンから登場してきたアーティストで朋友タリブ・クエリ(TALIB KWELI)とヒップ・ホップユニット、ブラックスターを結成(1998年)、名盤『Black on Both Side』など計5枚のソロアルバムをリリース、またロック、クラブミュージック、ジャズ、ブルースなど様々なアーティストと渡り歩くワン・アンド・オンリーなラッパーである。
今回そんな豪華アーティスト2名をフューチャーしたファッション・ショーは、「Peculiar Contrast, Perfect Light(独特なコントラスト、完璧な光)」。アフリカン・アメリカンの作家ジェームス・ボールドウィン(JAMES BALDWIN)のエッセイ『stranger in the village』を引用し、美術品を盗難した持ち主をテーマに紹介される。フランスの豪奢な空間にソウル・ウイリアムズの詩『CO-DEAD LANGUAGE』からのポエトリー・リーディングとヤシーン・ベイのフリースタイルラップ、そして前衛的なジャジーサウンドと人体芸術のミクスチャーが、現代社会における人種差別の抽象画的構図を表現しているかのようで、ヴィトンの更なる芸術的進化を感じ取れる魅惑的なファッションショーとなっている。